運命なんて信じないふたりの

それは星の囁きにも似ている
夜をくずして煮つめた未明
祈りも夢も悪魔は笑う
宝石の目は光らない
不遇なジョーカー
楽園のなごり
エデンの淵
冬の体温
乾いた鱗
泳げない魚
明日、夢の畔で
空に満つる光の螺旋
春にも君は冷めたいろ
ゆうべとおなじ目をしてる

あの日から止まったまま
深淵にはいたらぬさだめ
きみだけに許された境界
まがいの勝利に酔う戯け
暮れ合いに逢いましょう
楽園の檻で少女はうたう

万年雪の苗床
停滞する体温
触れる前から

盲目の金糸雀は唄いつづける
シリウスを棄てた誰かの未来
未開の極致におまえはいない
ツンドラより来たりて居坐る
運命なんて信じないふたりの

愛なき囀り
未だ冬を拗らせ
きみのほしはしんだ
同じ朝など還らぬまま
置き去りにされた名無しの感情
夢も祈りも悪魔は笑う
諧謔の朝、滑稽な夜。
天鵞絨の星躔
素通りの雨

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